武士たちの革命

久しぶりに時間ができて、ずっと読みかけのこの本を読み進む。
アメリカの大学生向けの教科書だが、私にとってはどの日本在住の人の文を読むよりもわかりやすい。詳細で異論はあるかもしれないが、内向きの情念から突き進んでいくうちに、世界を知り自らが「日本」人であることを知った人たち。
不思議にも、自分の中で推論を立てていたことが明解に整理されている。
歴史好きの人には本当におすすめ。
過去を振り返るときに、この中に引用されているイギリス人の学者バジル・ホールチェンバレンの言葉と同じことを感じる。曾祖父の萩の乱と、その息子である祖父の生活や環境は全く違う。

「現代日本の過度期を過ごした者は、不思議なほど年をとったという気持ちを感じる。というのは、今この時代に住んでいて、自転車とかバチル(黴菌)とか、勢力範囲とかいう話があたりに充満している中にいる。それと同時に、彼自身は中世時代のことを明確に思い浮かべることができるからである。この筆者を初めて日本語の神秘の世界へ手引きしてくれた親愛なる老武士は、丁髷と両刀をつけていた。この封建時代の遺物は、今はニルヴァナ(涅槃)の世界に眠っている。彼の現代の後継者は、英語もかなり流暢で、実用向きな上下揃いの洋服を着ている。ひげが少なく、目が吊り上っている、ということがなければ、彼はほとんどヨーロッパ人といってもよいくらいである。古いものはは一晩のうちに過ぎ去ってしまう。」本書第二部126ページの関連部分をそのままコピーする。

 

 

 

f:id:Tamakihistory:20140820111855j:plain